研究者一覧
- 特任准教授Project Associate Professor
- 綾屋 紗月AYAYA Satsuki
- 当事者研究 分野
略歴
2007年 7月 | 自閉スペクトラム症の当事者研究に関する在野研究者(執筆、講義、講演、登壇、学会発表、メディア発表、当事者研究会主催等) |
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2012年 9月 | 東京大学先端科学技術研究センター 特任研究員 |
2014年 9月 | 立教大学 兼任講師(2014~2016, 2018~2020) |
2020年 3月 | 東京大学大学院総合文化研究科 広域科学専攻 博士後期課程 修了 |
2020年 4月 | 東京大学先端科学技術研究センター 特任講師 |
2023年 6月 | 東京大学先端科学技術研究センター 特任准教授 |
研究分野
当事者研究とは、障害や病気などの困難を抱えた本人が、似た困難をもつ仲間の力を借りながら、症状や日常生活上の苦労など、自らの困りごとについて研究する、日本固有のユニークな実践である。当事者研究は統合失調症を持つ人々の間で行われ始め、徐々に、依存症や脳性まひ、発達障害など、様々な困りごとを持つ人々の間に広まった。
さらに近年は、従来は所与の財・サービス・知識の受動的な消費者だった当事者が、財・サービス・知識の生産・普及過程に初期段階から参画する「共同創造(co-production)」という実践が世界的に広がりつつある。
多様なマイノリティ属性をもつ構成員が、互いの限界をオープンにしながら補い合い、チームとして高いウェルビーイングとパフォーマンスを発揮できるインクルーシブな研究環境を実現するためには、マイノリティの経験についての深い理解だけでなく、謙虚さや心理的安全性などを備えた組織文化を定着させる必要がある。またこうした文化は、共同創造を担うマイノリティコミュニティにも同様に実装する必要がある。具体的には、学習可能な当事者研究プログラムを開発し、アウトリーチやFDを介してマイノリティコミュニティや研究室に実装するとともに、その効果検証をする。検証は、謙虚さ表出尺度や心意的安全性尺度などを用いた量的研究のみならず、エスノグラフィーやエスノメソドロジーなどの質的分析も組み合わせる。
受賞
- 2019年11月 第73回毎日出版文化賞(企画部門)
キーワード
当事者研究、セルフヘルプ・グループ、自閉スペクトラム症、障害の社会モデル、研究の共同創造
大学院・専攻
- 工学系研究科 先端学際工学専攻