先端アートデザイン分野 近藤薫研究室
Nature-Centeredの視座から人間と世界との新たな関係を探求する
-芸術と学術の往還と、次世代育成-
Nature-Centered(自然中心)への視座の転回
現代社会は、科学技術の飛躍的な発展によってかつてない豊かさと利便性を獲得してきた一方で、環境問題、社会的分断、精神的孤立など、多くの課題にも直面しています。こうした課題の背景には、人間と自然、科学技術と社会との関係性をめぐる問いがあります。
今日求められているのは、人間中心の世界観から、人間を自然の一部として捉えるNature-Centered(自然中心)への視座の転回です。近年では、人工知能のみならず、生物が持つ知能や自然界の多様な情報処理システムにも注目が集まっています。知能を人間固有のものとしてではなく、自然の中に広く存在するものとして捉え直すことも、Nature-Centeredへの視座の転回につながります。
私たちは自然の外側に立つ存在ではなく、その関係性のなかで生かされています。人間は世界を感受し、その一部を認識し、意味付けながら他者や自然との関係を築きます。そしてその関係は新たな感受を生み出します。この「感受・認識・関係の循環」こそが、人間が自然の一部として生きるための根源的な営みであり、Nature-Centeredの基盤であると考えます。
感受・認識・関係の循環を拓く芸術
「感受・認識・関係の循環」を社会の中で育む上で重要な役割を担うのが芸術です。芸術とは、人が有限な存在であるがゆえに認識しきれない世界との接触の痕跡です。芸術は、分析や効率化によって切り分けられた世界を再びつなぎ直し、人間と自然、自己と他者、科学技術と社会との関係を問い直す契機を与えます。
AIをはじめとする科学技術が急速に進展する現代において、知識の獲得や情報処理の多くは、人間だけでなく、人工知能や生物知能を含む多様な知的システムによって担われるようになりつつあります。そのような時代だからこそ、私たちは「何を知るのか」だけではなく、「何を感じるのか」「誰とどのような関係を生きるのか」を問い続ける必要があります。芸術は、認識だけでは捉えきれない世界を感受し、人間と世界との関係を開き続ける営みなのです。
大学における知の拡張
大学は、知の在り方そのものを問い続ける場である必要があります。学術研究は現代社会を支える重要な基盤ですが、人間が生きる世界には数値や概念だけでは捉えきれない経験や関係性も存在します。
学術と芸術は対立するものではなく、人類の知を構成する相補的な営みです。学術的探求と芸術的探求を往還させることで、大学を知識生産の場にとどまらず、人間と世界との新たな関係を探求する場へと拡張し、「芸術の社会実装」を目指します。
また、多様な知を横断的に結び付けながら、Nature-Centeredの視座から人間と自然、科学技術と社会との新たな関係を探求し、人間が自然の一部として生きることを学び直し、インクルーシブで持続可能な未来を創造する人材の育成を目指します。

高野山会議「利他の蓮華」

青少年高野山会議

「蓮華モデルSTEAM教育」の図

芸術の社会実装を目指す「芸術環境創造」の図
先端研主催、先端アートデザインが主管する高野山会議は、先端研関係者のみならず、和歌山県を中心とする地域の方々や、産芸学官連携のもと集う産業界のステークホルダーが参加する、世代や立場を超えた極めてユニークな会議です。
科学・芸術・宗教という異なる知の領域を横断しながら、多様な視点から未来社会のあり方を議論し、新たな価値を見い出し、生み出す、「響創」と「円融」の場として開催されています。
そして、将来の高野山会議を背負って立つ次世代を育成するための青少年高野山会議では、独自の教育手法「蓮華モデルSTEAM教育」が展開され、自利利他の精神を育みます。
開創1200年を超える高野山の歴史に浸りながら、1200年後の未来に向けた想像と創造の意見をぶつけあい、自然中心 / Nature-Centeredの視座を追求していきたいと考えています
メンバー

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- 近藤 薫 教授

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- 神﨑 亮平 シニアリサーチフェロー
研究室ホームページ
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