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社会代謝システム分野 醍醐研究室

物質・エネルギーの流れを読み解き、人と地球のウェルビーイングを支える社会をデザインする

 私たちの社会は、資源とエネルギーの「代謝」によって動いています。その仕組みを科学的に解明し、planetary healthを実現する社会への移行を目指す研究室です。

社会代謝システムの解析とデザイン

 社会を「物質とエネルギーを代謝するシステム」と捉え、資源採取から製品利用、廃棄・再資源化に至るまでの流れを定量的に分析しています。資源やエネルギーの一部は、化石燃料などの有限な天然資源が投入されているものの、使用された物質の一部は環境に散逸しており、持続可能な代謝システムには課題があります。材料ストック、インフラ、エネルギー利用、人間活動が相互にどのようにつながっているかを可視化し、Planetary Health と Well-being を両立する社会システムの設計を目指します。

持続可能な材料リサイクルシステム

 鉄鋼材や非鉄金属材料などの金属材料を対象に、資源循環時代に向けた材料リサイクルシステムの高度化を研究しています。社会における金属材料の使い方や回収の方法によって、回収された金属スクラップの質が影響され、リサイクルされた金属材料の特性にも影響を与えます。しかしながら、金属スクラップの実態はよくわかっていないため、現場に赴いてスクラップの特性を実測するとともに、深層学習によって、実測することなくスクラップの特性を推定するモデルを開発しています。材料工学と社会システム分析を統合し、鉄スクラップ中に混入する不純物元素(トランプエレメント)の動態を解明し、それら不純物元素を許容しつつ、高級鋼材を生産するための新しい学理を構築しています。

ライフサイクル思考による未来社会設計

 製品や技術の現状の環境負荷を評価する従来型 LCA(ライフサイクルアセスメント)に加え、将来社会における資源やエネルギーの制約、制度の変化等を見据えた未来志向型LCA を研究しています。持続可能な社会の構築のためには、多くのセクターがかかわるものの、他のセクターへの影響を考慮することは容易ではありません。ライフサイクル思考を用いることで、産業間の連携や消費者への影響まで考慮したうえで、未来社会全体の効用を向上する手段を提案します。持続可能な未来社会を実現する技術・産業・社会システムを設計するための方法論を開発しています。

  • 社会代謝システムモデルの概要図

    社会代謝システムモデルの概要図

  • ばらつきを制する二次資源からの 材料生産チェーン設計のためのR-PSPP連関

    ばらつきを制する二次資源からの 材料生産チェーン設計のためのR-PSPP連関

  •  仮想空間内に堆積された鉄スクラップ

    仮想空間内に堆積された鉄スクラップ

ミニコラム
大学生の頃に京都議定書が採択され、環境問題の解決に寄与する仕事をしたいと思うようになりました。材料工学を勉強していましたので、環境負荷を生じずに材料(特に金属材料)を使い続けるための方策を考えるようになりました。当時は、数理モデルを用いて解析的にこの社会的な問題にアプローチしていた研究者がほとんどいなかったため、新しい研究分野の黎明期に身を置くことができたことは幸せでした。一方、現象をモデル化しても、必要なデータがないことが多く苦労しました。必要なデータを得るために、実験もフィールド調査も手法にはこだわらずに、目的を全うするためには何でもやってきました。きっと諦めが悪い性格と楽観的な性格が向いていたのではないかと思います。いまになって、カーボンニュートラルならびにサーキュラーエコノミーが社会的に重要な課題と認識されてきており、研究を始めたころからは隔世の感があります。

メンバー

  • 醍醐 市朗 教授
  • 専門分野:産業エコロジー、ライフサイクル評価、物質フロー分析
特任助教 横川 直毅(専門分野:化学工学、ライフサイクル評価)
  
特任助教 倪 嘉苓

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