未来戦略ライフサイクルアセスメント連携研究機構
設立の趣旨
カーボンニュートラルの達成に貢献する革新技術は、それが社会実装される未来の産業構造・社会構造に合わせてライフサイクル全体で評価されることが必要です。しかし、従来のライフサイクルアセスメント(life cycle assessment, LCA)は、製品やサービスの「現在の」環境影響を評価するものです。このような背景のもと、従来のLCAを、未来の持続可能な社会を戦略的に構築するための先制的LCAに発展させることを目的として、2023年4月1日に未来戦略ライフサイクルアセスメント連携研究機構(UTLCA)が設立されました。図1 に当機構のロゴを示します。
研究体制
UTLCAでは、先制的LCAの学理を確立、牽引、発信すべく、学内10部局から48名(2024年4月1日現在)の研究者が参画するプラットフォームを構築し、先端科学技術研究者とLCA研究者の協創を推進しています。また、国立研究開発法人国立環境研究所および国立研究開発法人産業技術総合研究所と連携協定を締結するなど、国内外の研究者や研究機関との連携も推進していきます。
このような体制のもとで、新技術に対して先制的LCA を実践し、2050 年までの環境・社会・経済への効果を評価し、それに基づいた科学技術戦略・社会実装戦略を導き、成果を広く社会へ発信していきます。また、先制的LCA の実践や教育活動を通じて、先端科学技術とLCAの専門知を併せ持つ先制的LCA人材を育成し、日本が先制的LCA で世界のリーダーシップをとる基盤を築きます(図2)。
未来戦略を「今」つくるには?
従来のLCAを先制的LCAに発展させるためには、産業分野を超えた議論を行い(図3)、影響し合うシステム間で整合が取れた、将来シナリオを考える必要があります。また、持続可能な社会を実現するためには、国際社会の動きも捉えながら、消費と生産の連携を強化した新しいデザインが必要です。UTLCAは、成果の社会実装を進めるために、産業との連携にも取り組んでいます。UTLCAの設立と同時に、先制的LCA社会連携研究部門を設置し、連携研究機構の研究者と参画企業の強力な連携によって、技術と社会の相互作用や人材育成等の課題に取り組み、情報交換をしながら適用と検証を推し進めます。
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図1:未来戦略LCA連携研究機構ロゴ
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図2:未来戦略LCA連携研究機構の価値
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図3:産業分野を超えた議論の必要性
連携機関
- 【学内】
- 工学系研究科
- 農学生命科学研究科
- 経済学研究科
- 総合文化研究科
- 新領域創成科学研究科
- 公共政策学連携研究部
- 生産技術研究所
- 未来ビジョン研究センター
- 環境安全研究センター
- 【学外】
- 国立研究開発法人国立環境研究所
- 国立研究開発法人産業技術総合研究所
メンバー
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- 杉山 正和 教授
研究室ホームページ
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